整形外科でレントゲンやMRIを撮ったのに、「特に異常はありません」と言われた。
それなのに腰の痛みは続いていて、座るとつらい、朝が痛い、立ち上がりでズキッとする——。
「異常なしと言われたのに痛い」状態は、決して珍しくありません。ここで大切なのは、
“異常なし=痛みの原因がない”ではないということです。画像検査はとても重要ですが、得意分野と苦手分野があります。
この記事では、
病院で「異常なし」と言われた腰痛について、考えられる原因を整理し、
1分セルフチェック、
やってはいけないこと、
受診の目安、そして
次の選択肢(何をどう進めるか)を分かりやすくまとめます。
「異常なし」でも腰が痛いのはなぜ?まず知っておきたい前提
画像検査(レントゲン・MRI)は、骨折・腫瘍・重度の椎間板ヘルニアなど
“大きな構造異常”を見つけるのが得意です。一方で、次のようなものは映りにくい/評価が難しいことがあります。
- 動きの偏り(股関節・骨盤・背骨の連動)
- 生活動作で「毎日」繰り返される負担のパターン
- 筋肉・筋膜の緊張、左右差、呼吸の浅さ
- その日の状態(疲労・睡眠・ストレス)で変動する症状
つまり「異常なし」と言われた場合は、
構造に大きな問題が見つからなかったという意味であり、
機能面(動き・負担の偏り)の問題が残っている可能性があります。
考えられる原因:画像では拾いにくい「3つのパターン」
病院で異常なしと言われた腰痛で、実務的に多いパターンを3つに整理します。
パターン1:股関節(腸腰筋)・骨盤が固まり、腰が代償している
座位(デスクワーク)や運転などで股関節が曲がった姿勢が続くと、股関節の深層筋である腸腰筋(腸骨筋・大腰筋)が縮んだまま固まりやすくなります。腸腰筋は骨盤・腰椎にも関係するため、固さが残ると骨盤の動きが落ち、腰が代償して動きやすくなります。
この状態では、腰そのものに“壊れた所見”がなくても、
腰が働きすぎて痛みが出ることがあります。
パターン2:左右差(骨盤のねじれ・片側荷重)が固定されている
足組み、片側に体重をかける癖、片脚重心、カバンの持ち方などの積み重ねで、骨盤のねじれや左右差が固定されると、腰の片側に負担が偏ります。
「右だけ痛い」「左だけ張る」「お尻の片側が硬い」といった訴えは、画像では説明がつかないことが多い一方で、動きの評価では原因が見つかることがあります。
パターン3:呼吸が浅く、背骨全体の“しなり”が落ちている
呼吸が浅い状態が続くと胸郭(肋骨周り)の動きが小さくなり、背骨全体のしなりが減ります。すると腰が働きすぎる状態になりやすく、症状が長引くことがあります。
内外整骨院では、筋肉・筋膜の引っ張り合い(テンセグリティ)の偏りが固定されると、循環が落ちやすく回復に時間がかかることがあると考えています(※臨床仮説)。
1分セルフチェック:あなたの腰痛は「どの状況で」悪化しますか?
“異常なし腰痛”は、悪化のタイミングがヒントになります。次のうち、当てはまるものをチェックしてください。
- 座ると腰が痛い(デスクワーク・会議・車など)
- 長時間運転のあと腰が伸びない/立ち上がりが痛い
- 寝起きに腰が固い/起き上がりで痛い
- 立ち上がりの一歩目が痛い
- 反ると詰まる/前かがみでつらい(どちらかに偏る)
- 片側だけ痛い(右/左で偏りがある)
このチェックで「座位・運転・寝起き・立ち上がり」に偏りがある場合、
生活動作で負担が再現され続けている可能性が高いです。原因を探す方向性が定まります。
やってはいけないこと:「異常なし腰痛」をこじらせやすい行動
異常なしと言われると不安になり、いろいろ試したくなります。しかし、次の行動は悪化・長期化につながることがあります。
- 痛い場所(腰)だけを強く揉む・押す(原因が残ると繰り返す)
- 反動をつけた強いストレッチで腰を伸ばし切る
- 痛み止めで動けるからと、運動や仕事量を一気に戻す
- 座り方・運転姿勢・寝起き動作を変えず「ケアだけ」で何とかしようとする
ポイントは、痛みの原因が「腰の局所」ではなく、
負担の連鎖(股関節・骨盤・呼吸)や
生活動作での再現にあるケースが多いことです。だからこそ、動作と環境を変えない限り戻りやすくなります。
次の選択肢:どう進めると改善に近づくか(優先順位)
ここからは「何を次にすればよいか」を、現実的な優先順位で整理します。
選択肢1:赤旗(危険サイン)がないか確認する
次の症状がある場合は、整骨院やセルフケアよりも医療機関の受診を優先してください。
- 脚のしびれが急に強くなった/力が入らない(筋力低下)
- 排尿・排便の異常、会陰部のしびれ
- 発熱、強い倦怠感、安静にしても増悪する痛み
- 転倒・衝突など外傷の直後(交通事故含む)
- がん既往、原因不明の体重減少などがある
本記事は一般情報であり、診断に代わるものではありません。不安が強い場合は早めに受診してください。
選択肢2:「悪化する状況」を特定して、まず1つだけ変える
異常なし腰痛は、対策を増やすより先に
悪化の再現ルートを断つのが効果的です。まず1つだけで構いません。
- 座ると悪化する → 椅子の高さ/モニター位置/足組みを見直す
- 運転後に悪化する → シートの角度/ハンドル距離/休憩で歩く
- 寝起きがつらい → 起き上がり方(横向き→肘→手)を変える
“原因が分からない”ときほど、
症状が変わる条件を見つけることが最短ルートになります。
選択肢3:腰を伸ばすより「股関節と呼吸」を先に整える
異常なし腰痛で多いのは、腰が悪いのではなく腰が
働きすぎている状態です。この場合、腰を無理に伸ばすより、股関節と呼吸を整えて腰の仕事量を減らす方が安全です。
- 1〜3分歩く
- 深呼吸(吸うより「吐く」を長めに)
- 痛みが増えない範囲で、股関節を小さく前後に動かす
狙いは「伸ばし切る」ではなく、固まりをほどいて負担の連鎖を戻すことです。
選択肢4:機能面(動き・左右差・連鎖)を評価できる場所で相談する
画像検査で大きな異常がない場合、次は
機能面の評価が有効になることがあります。具体的には、股関節の動き、骨盤のねじれ、呼吸の浅さ、立ち上がり動作、座位姿勢などを見て、負担の再現ルートを特定します。
内外整骨院では、腰だけを揉むのではなく、
股関節(腸腰筋)→骨盤→背骨の連鎖、筋膜の引っ張り合い(テンセグリティ)、循環回復の観点(※臨床仮説)から評価し、施術とセルフケアを組み立てます。
関連記事(状況別に原因を絞る)
「異常なし腰痛」は、悪化する状況で読む記事を変えると改善が早くなります。該当するものからお読みください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 「異常なし」と言われたら、もう治らないのでしょうか?
そうとは限りません。「異常なし」は“大きな構造異常が見つからなかった”という意味で、動きの偏りや生活動作で負担が再現されている可能性があります。悪化条件を整理し、機能面の評価を進めることで改善するケースはあります。
Q2. 痛み止めを飲んで動いた方が良いですか?
一時的に楽になることはありますが、痛みが抑えられている間に無理を上乗せすると悪化することがあります。動く場合も、歩行や呼吸など負担が少ないものから行い、悪化する動作は避けてください。
Q3. どんなときに再受診や追加検査が必要ですか?
しびれの増悪、筋力低下、排尿排便異常、発熱、夜間も強く痛む、外傷後などは再受診を検討してください。赤旗がなくても、悪化傾向が続く、生活に大きく支障がある場合は評価を受けることをおすすめします。
Q4. ストレッチや筋トレはした方がいいですか?
やみくもに増やすより、「悪化する状況」を減らすことが優先です。特に腰を反動で伸ばすストレッチは、詰まり型の人には逆効果になる場合があります。まずは股関節・呼吸など、腰の仕事量を減らす方向から始めるのが安全です。
Q5. 整骨院に相談するのはどんなケースに向いていますか?
画像検査で大きな異常がなく、座位・運転・寝起き・立ち上がりなどで悪化するパターンが明確な場合、機能面(動き・左右差・連鎖)の評価が役立つことがあります。負担の再現ルートを特定し、生活動作の改善と併せて進めると改善につながりやすいです。
ご相談・ご予約(池田市 内外整骨院)
病院で「異常なし」と言われた腰痛でも、
股関節(腸腰筋)・骨盤・呼吸など、負担の連鎖が原因になっていることがあります。内外整骨院では、痛い場所だけを追いかけず、悪化パターンを評価し、再発しにくい身体の使い方まで整えます。
監修:清水 学(柔道整復師/臨床10年)
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