腸腰筋が身体連動に与える影響 ― 骨盤・背骨・後頭骨・回復力はどこで破綻するのか ―
【大阪府池田市・内外整骨院】
腰痛、股関節痛、背中の痛み、肩こり、首の不調。
症状は違っても、「何度も繰り返す」という共通点を持つ方は少なくありません。
内外整骨院では、こうした再発性の不調を
局所の問題ではなく「身体連動の破綻」として捉えています。
その連動の起点となるのが、
腸腰筋(大腰筋・腸骨筋)です。
身体は「部分」ではなく「連動」で動いている
人の身体は、
-
骨
-
筋肉
-
神経
-
循環
がそれぞれ独立して働いているわけではありません。
特に姿勢や動作においては、
骨盤 → 仙骨 → 背骨 → 後頭骨
という連動が常に起こっています。
この連動が保たれていると、
身体は無理なく動き、回復もしやすい状態を維持できます。
逆に言えば、
どこか一か所で連動が止まると、別の場所に負担が集中します。
腸腰筋とは「連動のスイッチ」である
腸腰筋は、
-
腰椎から
-
骨盤をまたぎ
-
大腿骨へ付着する
身体深部の筋肉です。
この筋肉は、
-
上体を支える
-
歩行時の脚の振り出し
-
骨盤の前後バランス調整
など、
身体の中心で連動を制御する役割を担っています。
内外整骨院では、
腸腰筋を「連動のスイッチ」と捉えています。
腸腰筋が収縮すると、何が起きるのか
腸腰筋が慢性的に収縮すると、
腸腰筋の収縮
→ 骨盤の自由度低下
→ 仙骨の可動制限
→ 背骨全体のしなり消失
→ 後頭骨の動き低下
という流れが生まれます。
これは
単なる筋肉の硬さではなく、構造的な連動破綻です。
深層筋収縮が生む「伸長ストレス」という考え方
ここで重要なのが、
痛みを感じている場所=原因ではない
という点です。
腸腰筋のような深層筋が収縮すると、
身体はバランスを取るために、
別の筋肉を引き延ばして対応します。
この
引き延ばされ続けた状態=伸長ストレス
を受けている筋肉に、痛みやだるさが現れます。
代表的な連動例
-
腸骨筋の収縮
→ 腰方形筋への伸長ストレス(腰痛) -
大腰筋の収縮
→ 横隔膜周囲への伸長ストレス(背中の痛み) -
回旋筋腱板の収縮
→ 僧帽筋上部・肩甲鋸筋への伸長ストレス(肩こり)
症状は「結果」であり、
ストレスを生んでいるのは深層側です。
民族による骨盤構造の違いと腸腰筋
ここで、
日本人(アジア系)と欧米人の身体構造差
を無視することはできません。
日本人は臨床上、
-
骨盤後傾傾向
-
屈筋群(腸腰筋)優位
-
前面の慢性緊張
を持ちやすい特徴があります。
一方、
欧米人は骨盤前傾・殿筋優位で、
構造的ストレスの出方が異なります。
👉
この違いについては、
以下のページで詳しく解説しています。
民族別の骨盤構造と身体特性について
https://ikeda-daiichi.com/archives/1813
内外整骨院では、
日本人の身体構造を前提に腸腰筋を最優先で評価します。
臨床例:民族的骨盤特性が影響したケース
症例①
イタリアで改善しなかった腰痛が、日本で変化した理由
(15歳・男性/柔道/イタリア在住)
2025年12月中旬、帰省中に来院。
イタリア在住の15歳の男の子で、3年前から現地で柔道を続けていました。
2025年9月頃から腰痛が出現し、
練習ができない状態が続いていたとのことです。
イタリアでは4回の施術を受け、
-
背骨はまっすぐ
-
構造的には問題ない
-
柔道をしても良い
と説明を受けていました。
しかし実際には、
痛みのため柔道は一切できない状態でした。
内外整骨院での評価
当院で評価すると、
-
明らかな反り腰
-
腰椎3番付近の大腰筋に強いしこり(瘢痕)
-
骨盤―仙骨―背骨の連動低下
が確認できました。
ここで重要なのは、
「背骨がまっすぐかどうか」ではなく、
背骨が“連動して動けるか”という視点です。
施術と経過
施術では、
-
腰椎3番付近の大腰筋瘢痕を丁寧に緩め
-
大腰筋の伸長性を回復させながら
-
背骨の矯正を反復
することで、
仙骨から背骨までの連動を回復させていきました。
-
初回施術後:明確な痛みの緩和を本人が自覚
-
3回目:疼痛レベル 約50%まで低下
-
6回目:「柔道ができそう。投げてみたい」と本人が発言
この症例から分かること
このケースでは、
-
アジア人特有の骨盤特性
-
腸腰筋(特に大腰筋)の瘢痕・収縮
-
仙骨を含めた連動評価の欠如
が重なっていたと考えられます。
👉
アジア人の骨盤特性と腸腰筋優位性を
欧米基準の評価では読み切れなかった可能性
が考えられます。
症例②
アメリカで改善しなかった「めまい」が再発しなかった理由
(女性/バレエ指導者)
2024年12月。
アメリカでバレエの振り付けを教えている女性の症例です。
踊りながら指導を行う中で、
めまいが出現し、仕事に支障が出る状態になっていました。
内外整骨院での評価
評価では、
-
側頭骨と後頭骨の変位
-
頭蓋の柔軟性低下
-
仙骨のロック
-
腸腰筋の慢性的収縮
が確認されました。
ここで注目すべきは、
頭の問題に見えても、起点が骨盤側にあった
という点です。
施術と経過
施術では、
-
腸腰筋の収縮を緩め
-
仙骨の可動性を回復
-
後頭骨のフレキシビリティを確保
-
側頭骨への圧力を解消
という順序でアプローチを行いました。
-
3回目以降:めまいの明確な減少を確認
-
ご家族(お母様)から
「めまいは再発せず、踊れている」との報告あり
この症例から分かること
アメリカのカイロプラクティックでは、
-
背骨の可動性にはアプローチしても
-
仙骨のロック解除や
-
腸腰筋を起点とした評価
が十分に行われていなかった可能性があります。
結果として、
-
一時的な変化は出ても
-
連動が回復せず
-
根本的な改善に至らなかった
と考えられます。
👉
背骨だけでなく
仙骨を起点に連動を回復させたことが
結果につながった症例です。
2つの症例に共通する本質
これら2症例に共通しているのは、
-
民族的身体構造の違い
-
腸腰筋を起点とした評価の有無
-
仙骨を含めた身体連動を見ているかどうか
です。
背骨を整えること自体が間違いなのではありません。
連動の起点をどこに置くかが違うのです。
内外整骨院が腸腰筋と仙骨を最優先にする理由
日本人(アジア系)は構造的に、
-
腸腰筋が優位になりやすく
-
骨盤がロックされやすい
という特性を持っています。
そのため、
👉
腸腰筋 → 仙骨 → 背骨 → 後頭骨
という連動を回復させなければ、
症状は形を変えて繰り返されます。
仙骨と後頭骨、そして脳脊髄液(CSF)
仙骨と後頭骨は、
脊髄硬膜を介して連動しています。
このわずかな動きが、
脳脊髄液(CSF)の循環を支えています。
腸腰筋の収縮で仙骨がロックされると、
-
CSF循環が一時的になる
-
自律神経が安定しにくい
-
回復に時間がかかる
といった状態に陥ります。
そのため内外整骨院では、
👉
腸腰筋 → 仙骨 → 後頭骨 → CSF
という順序を非常に重視しています。
なぜ「整えても戻る」のか
骨盤や背骨だけを整えても、
-
腸腰筋の収縮
-
深層の引き戻し
-
伸長ストレス
が残っていれば、
身体は元のバランスへ戻ろうとします。
これが、
-
通っている間だけ良い
-
すぐ再発する
という状態の正体です。
内外整骨院が腸腰筋を起点にする理由
内外整骨院では、
-
腸腰筋の収縮評価
-
深層筋の緊張調整
-
仙骨・骨盤の可動回復
-
背骨全体の調整
-
必要に応じたCSF調整
という順序で施術を行います。
連動の起点を整えなければ、全体は整わない
という考え方です。
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