【仮説】首や肩のこりと「食いしばり」その裏にある鉄不足？
seikotsuin皆さんは、寝ている間や日中ふとした時に「ぐっと歯を食いしばっている」ことはありませんか？
食いしばりは、顎の咬筋やこめかみの側頭筋を強く緊張させるため、首や肩のこり、頭痛の原因にもなります。
内外整骨院でも首や肩の不調を訴える方の中に、食いしばりを持つ方が少なくありません。
長らく向き合ってきた難治の首肩痛にここで少し意外な関連が見えてきました。
実は、食いしばりのある方の中には「鉄不足」を指摘されているケースが多いのです。
そして逆に、鉄不足の患者さんに質問してみると「普段から食いしばりをしている」「マウスピースを処方されている」
という答えが返ってくることもあります。
氷をガリガリ食べたくなる「氷食症」と鉄不足
鉄不足の症状として有名なものに「氷をガリガリ食べたくなる」習慣（氷食症）があります。
これは単なる好みではなく、体が「硬いものを噛みたい」と欲求しているサインと考えられています。
つまり、氷を噛む代わりに無意識に食いしばりをしてしまう、という流れが推測されるのです。
なぜ鉄不足でこんなことが起こるのか？
鉄は血液を作るだけでなく、脳の神経伝達物質ドーパミンの合成にも欠かせません。
ドーパミンが不足すると、不安やイライラ、むずむず足症候群などの衝動的な行動が出やすくなります。
氷を噛む行為や食いしばりも、実はその一つの表れかもしれません。
また、鉄が不足すると筋肉のエネルギー代謝が落ち、疲労がたまりやすくなります。
顎や首・肩まわりの筋肉が回復しにくく、結果として「こり」や「だるさ」が慢性化してしまうことも考えられます。
対策の第一歩は「気づくこと」
もちろん、食いしばりの原因はストレスや噛み合わせ、姿勢など複合的です。
しかし「鉄不足」という視点を持つことで、今まで気づかなかった体のサインを見直すきっかけになります。
「最近氷をよく食べる」「首や肩のこりが強い」「肌や髪が弱ってきた」──これらが同時に当てはまる方は、一度鉄不足の可能性をチェックしてみるとよいかもしれません。
食事であれば、赤身肉やレバー、あさり、ひじき、大豆製品などに鉄が豊富です。
吸収を助けるビタミンCと一緒に摂るのもポイントです。
サプリメントで摂取する際は必ずプロテインと共に摂らないと、フェリチンと呼ばれる貯蔵鉄にならないので
その点要注意です。
ただし重度の鉄不足は自己判断せず、医療機関での検査・指導を受けることが大切です。
まとめ
首や肩のこりや食いしばりは、単なる筋肉や噛み合わせの問題ではなく、体の栄養状態──特に「鉄不足」が関わっている可能性があります。
「硬いものを噛みたい」という体のサインを見逃さず、生活習慣や食事を見直すことで、意外な不調が軽くなるかもしれません。
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