臨床ノート 30代男性|右膝外側痛に潜む「足首起点の構造破綻」

① 患者属性

30代男性。
職業はデスクワーク。
運動習慣としてランニングを継続。


② 主訴

  • 右膝外側の痛み

  • 走ると痛む

  • 日常生活では大きな支障はないが、運動時に明確な違和感が出る


③ 初診時の重要所見

問診の中で重要だった情報は、

  • 1年前の右足関節捻挫歴

さらに、

  • 右股関節にも違和感を自覚している

という点。

膝の痛みを主訴としているが、
膝単独の問題として見るべきではない という印象を持った。


④ 構造的仮説

構造的には以下の連鎖を想定した。

  • 右足関節捻挫
    → 足関節の不安定性(緩さ)が残存
    → 末梢での安定性低下を
     股関節で代償
    → 股関節周囲筋の持続的緊張
    → フレキシブルな膝関節に
     回旋・剪断ストレスが集中

この結果、

足首は「緩い」
股関節は「硬い」
膝は「耐え続ける」

という、
非常に典型的だが見逃されやすい構造フェーズ
に入っていたと考えられる。


⑤ 施術戦略

実際に触診を進めると、

  • 右股関節の緊張が顕著

  • それに伴い
    右腸骨の後傾が明確

という所見を確認。

腸骨後傾により、

  • 大腿骨の位置が変化

  • その状態で走り続けた結果
    膝外側への負荷が蓄積

していたと判断。

アプローチ方針

  • 痛みの出ている膝は追わない

  • 土台から整える

具体的には、

  1. 右足関節のアジャスト

  2. 右腸骨のポジション修正

  3. 腹膜テンセグリティを含めた
    骨盤〜体幹のバランス調整

を行い、
「足首〜腸骨までの支持構造」を再構築 することを優先した。


⑥ 反応・変化

施術後、

  • 明確に骨盤バランスが改善

  • 全身の支持感が変化

さらに、

  • 硬膜テンセグリティを介して
    後頭骨の位置変化 も確認でき、

  • 自律神経系への負担軽減も見込まれる状態

局所的な痛みの変化以上に、
身体全体の安定感が戻る反応 が印象的であった。


⑦ 臨床的考察

本症例は、

  • 膝痛として表面化しているが

  • 起点は 足首の外傷歴

という、
臨床では非常に重要な構造連鎖を示している。

この状態が、

  • もし10年以上継続していれば

    • 股関節の固定化

    • 骨盤の歪み定着

    • さらに上位(脊柱・頭蓋)への波及

と進み、
変化させにくい構造フェーズ に入っていた可能性が高い。

今回は比較的早期に、

「足首 → 腸骨」

という情報を拾い上げ、
介入できたことに臨床的価値がある。

この症例は今後、

  • 足関節外傷後の慢性膝痛

  • 片側運動(ランニング)による代償

  • 若年〜中年期の“未完成な構造破綻”

を考察するうえで、
重要なリファレンス症例として記録しておきたい。

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監修

大阪府池田市 内外整骨院
院長 清水 学(施術歴10年/腸腰筋研究9年/臨床実績6万人以上)

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