年末年始に体調を崩しやすい本当の理由|自律神経・内臓疲労・腸腰筋から読み解く不調の正体

年末年始になると体調を崩す人が増えるのはなぜか?

毎年この時期になると、

  • 腰痛が悪化する

  • 頭痛・めまいが出る

  • 寝ても疲れが取れない

  • 胃腸の調子が落ちる

  • 自律神経失調症のような症状が出る

といった相談が急増します。

「寒いから仕方ない」
「年齢のせい」
「疲れが溜まっているだけ」

そう考えられがちですが、臨床現場で診ている限り、年末年始の体調不良には明確な構造的原因があります。


① 生活リズムの乱れが自律神経を直接疲弊させる

年末年始は、

  • 夜更かし

  • 起床時間の乱れ

  • 食事時間の不規則化

が一気に起こります。

自律神経は「規則性」を非常に重視するため、この乱れだけでも回復力は低下します。
特に影響を受けやすいのが、脳・内臓・姿勢制御です。


② 忘年会・新年会による内臓疲労という見落とされがちな要因

飲酒や食事量の増加により、肝臓・胃腸は通常以上の負荷を受けます。

内臓が疲労すると、その緊張はファシア(筋膜)を介して筋肉へ伝わるため、
結果として身体の深部が硬くなります。

特に影響を受けやすいのが
腸腰筋(大腰筋・腸骨筋) です。

  • 肝臓疲労 → 右大腰筋の緊張

  • 胃腸疲労 → 腸骨筋の収縮

この連動は、日常臨床で頻繁に確認されます。

👉 腸腰筋がなぜ全身に影響するのかは、こちらで詳しく解説しています

「腸腰筋を緩めてから行うカイロプラクティックが重要な理由」


③ 腸腰筋が緊張すると、なぜ全身不調が起こるのか

腸腰筋は単なる股関節の筋肉ではありません。

  • 骨盤の安定

  • 仙骨の可動性

  • 脊髄硬膜を介した後頭骨との連動

に関わる、全身調整の要です。

腸腰筋が過度に緊張すると、

  • 仙骨の動きが制限される

  • 脳脊髄液の循環リズムが低下する

  • 自律神経の切り替えがうまくいかなくなる

結果として、

  • 疲れが抜けない

  • 痛みが慢性化する

  • 気力が戻らない

といった症状が現れます。


④ 長時間の座位・移動が腸腰筋を固定化させる

年末年始は、

  • 帰省での長時間運転

  • テレビ・スマホの長時間視聴

など、座り続ける時間が極端に増える時期です。

座位姿勢は、腸腰筋を縮め続ける姿勢です。

つまり年末年始は、

内臓疲労 × 自律神経の乱れ × 腸腰筋の収縮固定

という、体調不良が起こる条件がすべて揃います。

👉 長時間運転後に腰が伸びなくなる理由はこちら

「年末年始の長時間運転後に腰が伸びない理由」


⑤ なぜ休んでも回復しないのか?

この時期の不調は、
筋肉疲労ではなく「回復システムそのものの低下」が起きています。

そのため、

  • マッサージ

  • 湿布

  • 一般的なストレッチ

だけでは改善しきれません。

腸腰筋・内臓・骨盤・自律神経を同時に調整する視点が必要になります。

👉 腰痛・自律神経の関係はこちら

「重症腰痛・自律神経失調症が改善する身体の共通点」


⑥ 年末年始にできる現実的なセルフケア

おすすめなのが、
温泉・銭湯での交替浴です。

皮膚刺激を通して、

  • 血管反射

  • 神経反射

が起こり、深部の緊張が抜けやすくなります。

また、

  • 下腹部を温める

  • 深い呼吸を意識する

ことも腸腰筋の緊張緩和に有効です。


⑦ 年明けに不調を持ち越さないために

年末年始の体調不良は、
「一時的なもの」ではなく、その後1年の調子を左右する起点になることもあります。

早い段階で、

  • 腸腰筋

  • 仙骨・骨盤

  • 自律神経

の連動を整えることが、慢性化予防につながります。


まとめ

年末年始に体調を崩しやすい本当の理由は、

  • 生活リズムの乱れ

  • 内臓疲労

  • 腸腰筋の緊張

が重なり、自律神経の回復力が落ちるからです。

「年明けから調子が戻らない」
「毎年この時期に不調が出る」

そのような方は、腸腰筋から身体を見直す視点が必要かもしれません。

監修

大阪府池田市 内外整骨院
院長 清水 学(施術歴10年/腸腰筋研究9年/臨床実績6万人以上)

CSFプラクティス会員

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