脳脊髄液調整は、なぜ腸腰筋が緩んでいないと定着しないのか
「施術直後は楽になるが、数日で元に戻ってしまう」
「脳脊髄液調整やカイロプラクティックを受けたが、効果が続かなかった」
こうした声は少なくありません。
その背景には、腸腰筋の緊張が残ったまま調整を行っているという構造的な問題が関係している可能性があります。
内外整骨院では、脳脊髄液調整を行う際、必ず腸腰筋の状態を評価・調整した上で施術を組み立てます。
それは、腸腰筋が緩んでいない状態では、脳脊髄液調整が「定着しにくい」ことを、長年の臨床で確認してきたからです。
脳脊髄液とは何か
脳脊髄液(CSF)は、脳と脊髄を包み込むように循環している体液で、
主に以下の役割を担っています。
- 脳・脊髄への栄養供給
- 老廃物の排出
- 神経系の保護と緩衝
- 自律神経の働きを支える環境維持
この脳脊髄液は、脊髄硬膜という膜に包まれており、
脊髄硬膜は「後頭骨」と「仙骨」に付着しています。
つまり、
後頭骨と仙骨の可動性は、脳脊髄液の循環と密接に関係している
という構造になっています。
腸腰筋の緊張が、脳脊髄液循環を妨げる理由
腸腰筋は、腰椎から骨盤を通り大腿骨に付着する、身体の深部にある筋肉です。
この筋肉が慢性的に緊張すると、次のような連鎖が起こります。
- 腸腰筋の短縮・過緊張
- 骨盤の前傾・捻転が固定される
- 仙骨の可動性が低下する
- 脊髄硬膜のテンションが高まる
- 脳脊髄液の循環リズムが乱れる
この状態で脳脊髄液調整を行っても、
骨盤側から常に引っ張られる力が残っているため、調整が戻りやすいのです。
これは、建物で例えるなら、
「基礎が歪んだまま上階だけを整えている」状態に近いと考えられます。
なぜ「腸腰筋を緩めてから」行う必要があるのか
腸腰筋のテンションが適正化されると、
- 仙骨が自然に動ける状態になる
- 脊髄硬膜の緊張が抜ける
- 後頭骨の微細な可動が出やすくなる
この状態で脳脊髄液調整を行うことで、
循環の変化が身体に定着しやすくなることを、臨床上多く経験しています。
実際、高齢の患者様においても、
- 歩行の安定
- 身体の軽さ
- 自律神経症状の変化
といった反応が、腸腰筋調整を前提に行ったケースほど安定しています。
年齢や画像所見だけで判断できない理由
整形外科では、レントゲンやMRIを用いて骨の状態を評価します。
これは非常に重要な診断手段ですが、
- 筋肉の緊張状態
- 脊髄硬膜のテンション
- 体液循環の質
といった機能的要素は画像では確認できません。
そのため、
「年齢的に仕方がない」
「変形があるから改善は難しい」
と言われた方でも、
腸腰筋を含めた構造的ストレスを整理することで、変化が出る余地がある
と内外整骨院では考えています。
内外整骨院の考える脳脊髄液調整
当院では、脳脊髄液調整を単独の技術として扱うことはありません。
- 腸腰筋の緊張評価
- 骨盤・仙骨の位置関係
- 背骨全体のバランス
これらを整えた上で、
脳脊髄液の循環を妨げている要因を一つずつ取り除くという考え方を採用しています。
その結果、
- 施術後の戻りが少ない
- 高齢の方でも変化が出やすい
- 再発しにくい身体の使い方へ移行しやすい
といった傾向が見られています。
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まとめ
脳脊髄液調整が定着しない背景には、
腸腰筋という「深部の緊張源」が残っている可能性があります。
腸腰筋を緩め、仙骨と後頭骨が自然に連動できる状態を作ること。
その上で行う調整だからこそ、身体は変化を受け入れやすくなります。
どこへ行っても改善しなかった方にこそ、
一度「腸腰筋」という視点から身体を見直していただきたいと考えています。
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